フォックスコンは昨年、深センにGDS(捷达世軟件公司)を設立したほか、今年に入ってからは高雄にソフトウェアパークを設立、最近では
ASE(日月光半導体)最高情報責任者(CIO)の盛敏成氏、インドのソフトウェアアウトソーシング企業大手【TATA Consulting】の元台湾区総経理の馬継曾氏等を招き入れている。フォックスコン董事長の郭台銘氏は8日、「当社は既に1万人以上に上るソフトウェア開発者の募集を行っている」と表明した。同氏は昨年の株主大会の席上、ソフトウェアアウトソーシング事業への進出を明らかにしている。
フォックスコンは20年前の1988年、深センに初めての工場を設立した。設立当時の人員は100人に満たない小規模工場だったが、現在では全世界に50万人以上の人員を抱える世界最大のEMS(受託生産企業)となっている。IT産業ではかつてのハードウェア生産大手、IBM、HP、Dellなどが何れも自社生産を減らし外部への委託生産に切り換える流れの中で、同社は加速度的に成長を続けてきた。
因みに、以下はこれまで世界の大手メディアで取り上げられた『フォックスコン』に関する記事である。参考までにご紹介しておく。
世間の人が気づかないうちに、郭台銘氏は彼の会社を中国最大の輸出企業で、世界最大の電子機器受託生産(EMS)企業に育て上げた——米『ウォールストリート・ジャーナル』
フォックスコン深セン龍華工場は20万人の従業員を擁している。この『iPod城』はニューカッスルの人口よりも多い——英『サンデーテレグラフ』
フォックスコンのビジネスモデルは同社成功の鍵である。フォックスコンの生産品目は広範囲にわたり、部品から完成品に及ぶ。自社で部品生産を行うことで多くのサプライヤーは必要無くなりコストの大幅削減が可能だ。競合との値下げ競争にあっても依然として高利益を獲得することが可能となっている——米『ビジネス・ウィーク』
全世界的な不況の中、各大手メーカーは開発費用を大幅に減らすところが多くなっているが、こうした流れもソフトウェアのアウトソーシング事業にプラスに働くと見られる。特に同社は生産事業をコア事業に据えているため、IT関連のソフトウェア事業には大いにプラスに働くだろう。
現在、ソフトウェアのアウトソーシング事業はインドが世界最先端を走っている。世界の大手ソフトウェアメーカーは、インド市場で廉価な開発者を大量に雇用して開発や試験などの業務全般を展開している。因みにインドのソフトウェアアウトソーシング市場は約20年前から既に開始されている。当時は米Hughes Networkなど一部の企業がインド南部のバンガロールを拠点に事業を開始していた。
フォックスコンがソフトウェアアウトソーシング事業に本格的に進出するにあたって、最大のメリットは上記に記したように、自社のコア事業が【製造業】であるという点だろう。この点が、先行者であるインドの各大手ソフトウェア会社との決定的な違いだ。ただ、これまでも中国系ソフトウェア開発会社は多々あるが、言葉の面(インドは英語が一般的に普及)で特に欧米顧客相手にインド企業が優位に立っていた。しかしEMS最大手のフォックスコンの本格参入によって、これまでの勢力図に変化が生じる可能性は大いにあるだろうし、郭台銘氏が成功を確信しているからこそ、ソフトウェアアウトソーシングへの進出を決断したのだろう。
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