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【EMS/ODM】 ソニー、欧州向け液晶TV生産工場をFoxconnに売却
2010-04-01 13:12:10
ソニーとフォックスコン(Foxconn=鴻海精密)の提携関係がより拡大する。ソニーは3月31日、Foxconnと液晶TV生産で更なる関係強化を図ることを表明、欧州市場向けに液晶TV生産を手がけるスロバキア工場の持ち株90.1%をEMS最大手のFoxconnに売却することを発表した。


市場関係者の間では、ソニーは今回のスロバキア工場に加え、引き続きスペインの生産工場をFoxconnに売却するとの情報が流れている。ソニーは昨年9月にメキシコ生産工場を同じくFoxconnに売却済みで、3工場の売買価格は合計で3億米ドル程度に達すると見られている。但し、スペイン工場の売却は暫く先になる見通しだ。

Foxconnは買収を通じて液晶TV受託生産事業の急拡大を進めている。Foxconnグループ(Innoluxなども含む)による年間出荷量は1200万台を超える規模に拡大し、ライバルであるAUO(友達)+TPV(冠捷)連合とのシェア争いは更なる激化に向かうことが必至だ。

対するAUOは世界最大の液晶TV受託生産企業であるTPVと共同で、ポーランドにアッセンブリー工場を設立することを決定している。FoxconnグループとAUOグループのシェ争いは中国、北米、欧州の全域に拡大し、競合製品もパネルからシステムアッセンブリー領域にまで広がりを見せている。

Foxconnグループは3月にCMO(奇美電)、Innolux(群創)、TPO(統宝)の三社合併を実現し、新たに『新CMO』を誕生させた。新CMOは出荷量規模でAUOを上回る台湾最大のパネルメーカーに浮上するとされ、下流のアッセンブリー事業の拡大が至上命題となっている。

ソニーのスロバキア工場売却後、同工場の従業員は引き続きFoxconnに引き継がれる。同工場は今後も欧州市場向けにソニーブランドの液晶TV生産を行う予定だ。

ソニーの2009年度液晶TV出荷目標は1500万台だが、2010年度は5割り増しの約2300万台を目標に掲げている。急激な出荷量拡大とシェアの拡大、更にコストの低減を同時に進めるために採った戦略が台湾EMS/ODM企業との戦略提携である。ソニーの2009年度液晶TV外部委託生産比率は約2割程度と見られているが、2010年度はこれを倍増の4割にまで拡大する。



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【ソース:】TRI    【編集者:】Edward