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【産業動向】AMD、エヌビディア追走へZTシステムズ買収 出資のインベンテックにも注目
2024-08-20 11:16:33
米AMDが米国時間2024年8月19日、サーバー開発・製造の米ZTシステムズ(ZT Systems)を、49億米ドルで買収する計画を明らかにしたことについて、台湾の経済誌『天下雑誌』は翌20日付で、ZTシステムズがODM(Original Design Manufacturer=設計・製造の受託)大手の台湾インベンテック(Inventec=英業達)と協働する形で、AMDの競合である米エヌビディア(Nvidia)のAI(人工知能)スーパーチップ「GB200」搭載サーバーの組立を手掛けていると指摘。その上で、今回の買収は、AI分野の取り組みにおいてエヌビディアを追走するAMDが、サプライチェーンの争奪戦を仕掛けたことを意味すると報じた。


天下雑誌によると、インベンテックは19年6月にZTシステムズに5481万米ドルを出資。さらにZTシステムズを経由する形で、アマゾン(Amazon)、フェイスブック(Facebook)、マイクロソフト(Microsoft)等の米国系CSP(クラウドサービスプロバイダー)大手にサーバー用マザーボードを出荷しているまた、また、メキシコ工場でエヌビディアのGB200搭載サーバーを組み立て、ZT Systems経由でコンポーネントレベル「L10」や、ラックレベル「L11」で出荷している。

同誌によると、AMDのZTシステムズ買収がもたらす影響について、インベンテックの広報は19日、期限は2025年となっているが、延びる可能性もあるとした上で、エヌビディアのAIチップ「H100」、「H200」、「GB200」搭載サーバーの手元の受注、出荷には影響がないとした。また、既存の提携プロジェクトは引き続き進行するとし、顧客構造も変わらないと強調した。

同誌によると、コンサルティング会社Moor Insights & Strategyの創業者であるPatrick Moorhead氏は、AMDについて、AIインフラ施設の構築においてエヌビディアに劣っている「ソフトウェア」と「システムの規模と成熟度」の2つを、今回のZTシステムズ買収で強化することができるとの見方を示した。

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