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【半導体】TSMC会長「2025年に台湾で生産ライン11本建設」「補助金なくても米に工場建設」
2025-03-07 11:18:01
ファウンドリ最大手、台湾TSMC(台積電)の魏哲家・董事長(会長)兼最高経営責任者(CEO)は2025年3月6日、米国における投資拡大が台湾での増産計画に影響を与えることはなく、25年は台湾では11本の生産ラインを建設する予定だと表明した。また、米トランプ政権が米国内の半導体に対する補助金供与政策を撤廃する見込みだとの見方が出ていることについて、「補助金がなくても怖くない」とし、同社が対米投資を行うのは顧客の需要が原動力であり、同社が求めているのは公平な競争であって、補助金ではないと述べた。


『経済日報』『中央社』等複数の台湾メディアが3月7日付で報じた。それによると、TSMCの魏董事長は6日、台湾の頼清徳・総統と会談後に記者対応し、米国における先進半導体に対する追加投資が台湾に与える影響等について言及した。

魏董事長は、「TSMCはどこに工場を建設する場合でも、すべて顧客のニーズに基づいて決定している。これまで一度もその方針を変えたことはない」と強調。対米投資も顧客の大きな需要に応えるためだとし、アリゾナ新工場は目下、既に需要が生産能力を超えるフル稼働の状態にあり、今後の生産ラインも予約済みである等、顧客の需要には極めて旺盛なものがあると述べた。

TSMCが対米投資を拡大していることから、台湾に対する投資を減速するのではないかとの懸念が出ていることについて魏氏は、「影響はない」と明言。台湾の生産ラインも不足しているため、投資を削減する考えがないことを改めて強調した。また、幸いなことに、頼総統が「水、電力、土地、人材」の方面で、引き続き全面的な支援を約束してくれたと述べた。

魏氏はさらに、対米投資の拡大は台湾における生産体制に影響を与えないとし、2025年に同社では台湾で11本の生産ラインを新設する計画を進めていて、これにより世界的な生産能力不足に対応すると述べた。さらに、追加投資で明らかにした米国に設立する研究・開発(R&D)センターについては、顧客との共同作業や、例えば2nm(ナノメートル)技術の開発と量産等、生産プロセスの継続的な最適化を展開するためであり、TSMCの技術の進歩と生産効率向上を推進する原動力になるものだと語った。

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