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【半導体】UMCが投資家向け説明会 GFとの合併「進行中の案件ない」
2025-04-24 10:55:24
ファウンドリ大手、台湾UMC(聯電)の劉啓東・最高財務責任者(CFO)は2025年4月23日に開いた投資家向け説明会で、米グローバルファウンドリーズ(GF)との合併報道について、現時点で進行中の買収合併案件はないと述べた。一方で、米インテル(Intel)と共同運営する米アリゾナ州の新工場は2027年の量産化を予定しているとした。


『経済日報』『工商時報』等の台湾メディアが同日付で報じた。それによると、UMCが同日公表した25年第1四半期(1〜3月)決算は、売上高が前期比4.2%減、前年同期比5.9%増の578億5900万NTドル(1NTドル=約4.4円)、税引後純利益は前期比8.5%減、前年同期比25.6%減の77億7700万NTドルだった。EPS(1株あたり税引後純利益)は0.62NTドル、売上総利益率は前期比3.7ポイント減、前年同期比4.2ポイント減の26.7%、営業利益率は前期比2.9ポイント減、前年同期比4.5ポイント減の4.5%だった。

25年第1四半期の地域別売上構成は、アジアが66%、北米が22%、日本が5%、欧州が7%だった。製品別売上構成は、通信向けが40%、コンシューマ向けが34%、PC向けが11%、その他が15%だった。

25年第2四半期(4〜6月)の業績見通しでは、すべての製品ラインで顧客からの発注需要は緩やかな回復の兆しが見えたとし、ウェハー出荷は前期より5~7%増加すると予想した。ただ、米中関係の悪化や関税の影響による不確実性が続いていることから、需要予想には依然、慎重な姿勢を取っているとした。この他、AI(人工知能)・スマート製造の導入によるコスト削減効果で、稼働率は前期から5~7ポイント上昇、売上総利益率も30%前後まで回復すると見込んだ。

設備投資についてUMCの王石・共同経営責任者(CEO)は、25年第1四半期は4億4300万米ドルだったとし、25年通年では18億米ドルの見通しを維持するとした。

GFとの合併報道についてUMCの劉CFOは、「市場のうわさについてコメントは控える。重要かつデリケートな問題であり、正式発表が必要。UMCは常に戦略的パートナーシップを模索しており、競争力と株主価値向上に資する取り組みはすべて検討対象だが、現時点で進行中の買収案件はない」と述べた。

インテルとの12nm(ナノメートル)技術での協働について劉氏は、新工場は2027年の量産化を予定しているとし、この提携により、UMCは米国にも先端製造拠点を持つことになり、地政学リスクにも対応可能な供給体制が整うと述べた。

シンガポール新工場「P3」に関しては、25年4月から稼働を開始し、目下、試作段階に入っているとし、26年初の量産化を開始する予定だと指摘。22nmの供給能力を強化することで、グローバル供給網の多様化と顧客のサプライチェーンの柔軟性向上に寄与するとした。

関税問題の影響について劉氏は、「現在のところ影響はない。UMCは台湾、日本、シンガポール、中国などに工場を持ち、顧客層も多様だ。加えて、インテルとの米国拠点での協業も進行中で、変動への対応力がある」とコメント。ただ、25年下半期の見通しは依然として幅が大きいとし、関税の変化や需要動向に応じて予想を適宜修正する必要があるとした。

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