経済日報によると、今回の非公開の投資家向け説明会は、フォックスコンの他、台湾Pan International(広宇)、台湾ESON(乙盛)、台湾Foxtron Vehicle Technologies(鴻華先進)、台湾Foxsemicon(京鼎)、台湾FIT(鴻騰精密)のグループ6社が6月23〜25日にかけての3日間にわたり開催。初日はフォックスコン、Pan International、ESONの3社が登壇した。
経済日報の伝えたある参加者によると、説明会で巫氏は「ICT(情報通信技術)、AI、電気自動車(EV)の分野において、フォックスコンが競合他社と大きく異なるのは、顧客数と受注量が圧倒的に多いことだ」とコメント。「とりわけAIサーバーでは、米エヌビディア(NVIDIA)と設計段階から協力しており、受託製造の世界シェアは4割を超えた。受注自体は問題ではなく、生産能力が課題だ。米テキサス州ヒューストンに新工場を賃借し、将来的な需要に備える」と述べた。
さらに巫氏は、CSP(クラウドサービスプロバイダー)やサーバーブランド等による海外における数千億米ドル規模の大型AIプロジェクトには同社が必ず関与していると指摘。これらプロジェクトの投資額は当初計画の1000億米ドル規模から3000億~5000億米ドルに拡大しているとした。
一方、EV事業について巫氏は、「EV市場はまさに百家争鳴の様相を呈しているが、フォックスコンは中国系企業とは直接、競争はしない。むしろこれら中国ブランドが将来的に当社の顧客になる可能性もある」と述べた。また、「自動車は非常に地域性の強い製品であり、グローバルに工場展開できるブランドは存在しない。フォックスコンは複数の顧客から注文を集め、最も競争力のある製品を現地で製造できる。また、自動車は関税の保護が非常に強い分野でもあるため、地域での生産が不可欠だ」と述べた。
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