EMS企業、ODM領域のノートPC生産に進出
2008-06-10 10:21:10
  ノートPC生産はこれまで、長期にわたって台湾系ODMメーカー(Original Design Manufacturer=設計・開発・生産サービス)の独壇場だった。その中でも主力はクアンタ(Quanta Computer)、コンパル(Compal Electronics)、ウィストロン(Wistron Corp.)の3社である。昨年度、これら3社を含むODM企業によって生産されたノートPCは、全世界出荷量の80%以上に達しており、今なおその比率は伸び続けている。


  一方、これまでノートPC生産においては沈黙を守ってきた電子製造受託サービス企業(EMS=Electronics Manufacturing Service)は昨年、注目に値する進展を見せた。 EMS世界最大手、フォックスコン(Foxconn)の2007年度ノートPC出荷量は前年比45.7%を達成、また、同じく世界2位のフレクストロニクス(Flextronics)は台湾大手ODM企業のアリマ(Arima Computer)からノートPCとサーバー部門を買収することを発表した。

  『iSuppli』の予想によると、「ノートPC生産はEMS企業からの浸食に直面しているが、自社生産を行っているOEM企業からの委託を獲得できない限り、ODMが引き続き市場を独占するだろう」と述べている。 昨年、OEM企業が自社生産したノートPCは、市場全体の11.2%となり、予想の9.9%を上回った。これは、ノートPC市場全体が拡大され、レノボやパナソニック、富士通などが自社生産を拡大したためだ。しかし、iSuppliは、2012年にOEMの自社生産は2.3%にまで減少すると予想している。

  2007年、ODM企業はノートPC生産で更にそのシェアを拡大した。iSuppliによると、2007年にODM企業によって生産されたノートPCは、全世界出荷量の85.4%に達し、2006年の83.9%を上回った。また、この比率は2012年までに93.8%まで上昇する、と予想している。

  また、EMS企業が2007年にシェアを伸ばした理由は、OEM企業が自社固有の設計技術を界部に解放しないことと、特徴的な製品によって差別化を実現したいという思惑から、ODMではなく、EMSへの生産委託が選択されたと見られる。

  EMS世界首位のフォックスコンは、2007年、ノートPC大手2社からの受注を獲得した。iSupplyの推定によると、フォックスコンは2007年に360万台のノートPCを出荷し、その内ソニー向けが59.4%、アップル向けが残りを占めているとしている。 ここ数年、ソニーとアップルの生産委託は主にフォックスコンが請け負っている。ノートPC、PS3、iPod, iPhoneなどがそうである。

  実は、ソニーとアップルのノートPCは、同じく台湾企業のASUSTekが生産を請け負っていた。しかし、ASUSTekが自社ブランドのノートPC販売をはじめ、ソニーやアップルとの間で利害関係が生じる事態となり、これを受けてソニーとアップルは委託先をフォックスコンやクワンタなどに移管した。ASUSTekはその後、今年1月より自社ブランド販売の【ASUSTek】とODM生産の【Pegatron】に分社分離した。

  今や各ノートPCメーカーは、ODMによる設計・製造のワンストップサービスに依存しており、EMSによる生産業務だけではその要求を満たすに至っていない。EMS世界2位のフレクストロニクスがアリマのODM部門を買収したのも、ODMサービスを充実させる意図があるからである。
【ソース:】EMSOne    【編集者:】Edward