Lite-On Technologyの財務副総裁の朱昆城氏は、「当社のデジタルディスプレイ事業部門はLite-On Technologyの売上高の4割以上を占め、昨年の売上高は827.5億NTDで、ディスプレイのOEMで世界第5位、世界の市場シェアが8%である。事業譲渡が予定通り今年第3四半期に達成されると、当社の売上高が下がることになるが、利益獲得には大きな影響がない」と述べた。


ニュースソース:経済日報、2008/04/30




EMSOneの眼

ノートPC大手メーカーのWISTRONは昨日、Lite-On Technologyのデジタルディスプレイ事業部門を買収すると発表し、市場の注目を集めている。関係者によると、Wistronはここ数年来、売上と利益獲得が共に順調であり、今後の運営全体に十分な潜在力があるとしている。

WISTRONはエイサーと分社した後、林憲銘董事長を中心としてノートPC業務の拡大と製品多元化戦略に取り組んできた。同社は過去2年間、売上や利益獲得成長において業界レベルを上回った。今回のLite-On Technologyのデジタルディスプレイ事業部門買収は、同社が事業を急速に拡大し、垂直的な統合を行う意志を示すと同時に、将来的にノートPC業務を基礎としつつも、全力で液晶テレビなどのコンシューマー電子産業に進出することを意味している。

3年前にFOXCONN(鴻海)の郭台銘董事長が、FOXCONN、ASUSTeK、QUANTA(広達)、COMPAL(仁宝)、BenQ(明基)、AUO(友達)を「電子5兄弟」と称すると、直ちに業界に広く引用された。当時のWISTRONは「電子5兄弟」の一員と呼ばれる存在ではなかった。

しかしこの数年を見ると、BenQがシーメンス携帯部門の買収運営に失敗し、戦略調整を行った。ASUSTeK もOEM顧客とのトラブルによって、受託生産部門を分社するに至った。ASUSTeKから分社された受託生産専門会社であるPEGATRONCORP「和碩」は、最近になって顧客離れに苦しんでいる。QUANTAとCOMPALはノートPC業務の割合が偏重で、利益縮小によるダメージを受けた。このような状況下、WISTRONはエイサーと分社した低迷を経た後、ここ数年は事業を一歩一歩着実に進め、「新しい5兄弟」の一員となるチャンスが巡ってきたといえる。

しかしLite-On Technologyのデジタルディスプレイ事業部門は過去数年、業績が思わしくなく、さらに業界全体もディスプレイ産業が大きな利益を生み出すことを期待していない。従って今回の買収はパネルなどの購買交渉条件を有利にする効果はあるが、新たに運営効率を改善し、同社の基盤事業との総合的な効果を如何に生み出すかは、林憲銘氏を始めとする経営チームの統合能力にかかっている。

pdficon 
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