【2025年版 サプライチェーン・地政学レポート】(装置・材料編)
2026-02-12 09:25:48
Executive Summary


2025年 装置・材料サプライチェーン再編の要点

2025年の半導体装置・材料サプライチェーンは、需要回復や投資再開といった循環的な変化以上に、工程ごとの役割分担が地理的に固定化した年だった。本レポートが示す結論は明確である。2025年は、装置・材料の供給網が「分散」した年ではなく、工程レイヤー別に再配置(Layered Allocation)された年だった。

この再配置の最大の特徴は、すべての工程が同時に動いたわけではない点にある。先端工程向けの装置・材料は、政策支援と技術要件が重なり、米国・台湾に集中した。一方、成熟工程向けの装置・材料は、中国が最大の需要地としての地位を維持し、ローカル装置・材料の採用が進展した。さらに、後工程(組立・パッケージング)関連の装置・材料は、OSATの拡張とともにASEANへと波及した。

装置市場では、EUVや先端成膜・洗浄といった領域で投資先が強く限定され、成熟工程では性能よりも安定供給・コスト・保守性が評価軸となった。後工程では、AIサーバー需要の拡大を背景に、ボンダ・テスターなど量産対応型装置の重要性が一段と高まった。これらは個別の企業判断ではなく、政策・技術・需要構造が同じ方向を指した結果として同時に発生している。

材料サプライチェーンにおいても、同様の構造が確認された。EUV・ArFレジストや先端CMPといった高障壁材料は日米台が供給中核を維持し、中堅ノード向け材料では中国ローカルメーカーの存在感が拡大した。後工程材料では、先端パッケージの量産化とOSAT再配置を背景に、ASEANが調達・在庫・加工の補完地として重要性を高めた。製造工程の地理的分化が、そのまま材料供給地の分化につながった一年だった。

重要なのは、これらの変化が「脱中国」や「供給網の断絶」を意味しない点である。装置・材料ともに、工程ごとに最適化された配置が選択された結果であり、サプライチェーンの中核的な技術や設計思想が急激に移動したわけではない。むしろ、依存関係を維持したまま、外側に工程が付加される形で構造が複雑化したと捉える方が実態に近い。

2025年時点で見える現実はこうだ。装置・材料サプライチェーンは、単一地域への集中にも、完全な分散にも向かわなかった。先端は米国・台湾、成熟は中国、後工程はASEANという三層構造が、暫定的でありながら最も摩擦の少ない形として定着しつつある。本レポートは、この構造を前提に、装置・材料分野における今後数年の投資判断と供給戦略を考えるための、現実的な整理を提供する。





※本レポートは全9ページで構成されています。レポートの全文は以下のリンクからダウンロードしてください

    【ソース:】EMSOne
  

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