【産業動向】キオクシア工場火災、台湾市場は「NANDフラッシュ需給逼迫の加速必至」市場注目の台湾4社
2020-01-09 11:46:16
台湾の有力紙『経済日報』は2020年1月8日付で、キオクシア(Kioxia、旧東芝メモリ)の三重県四日市工場のクリーンルームで同6日朝に火災が発生したと報じ、NAND型フラッシュメモリ(NAND フラッシュ)生産世界2位にある同社の今回の火災で、供給不足の状態にある需給がさらに逼迫し価格の上昇を招くとの見方を示した。


経済日報によると、火災が起きたのは6日午前6時30分ごろで、四日市工場Fab 6から出火したが、すぐに鎮火した。同紙によると、キオクシアは声明を出し、Fab 6は直接、衝撃を受けたが、大多数の生産ラインは2週間以内に再稼働できるとした他、火災発生時に生産ライン上にあったチップの多くは修復が可能であり、操業停止による損失は限定的だとしている。

一方、経済日報の伝えた台湾の市場関係者は、「火災の発生場所がクリーンルームなので、操業再開は、キオクシアの予想よりも時間を要するだろう」と指摘。その上で、NANDフラッシュ価格が20年第1四半期、既に上昇する下地ができていることから、今回のキオクシアの火災がきっかけで、価格が大幅に上昇する可能性があるとの見方を示した。

同紙によると、台湾の調査会社DRAMeXchangeは先ごろ発表したレポートで、データセンター需要と大手生産業者の生産規模縮小を背景に、NANDフラッシュ価格が20年第1四半期に引き続き上昇しており、上昇幅は1割を上回ったと指摘。また、20年通年の生産規模が前年比30%増加にとどまるものと見られるため、需給はさらに逼迫するとの見通しを示した。

経済日報は、キオクシアの火災を契機とするNANDフラッシュの価格上昇や発注シフト等の要因で業績向上が見込まれる台湾系企業としてコントローラICのPhison(群聯)、メモリモジュールのADATA(威剛)、メモリのMacronix(旺宏)とWinbond(華邦電)を挙げている。

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    【ソース:】TRI