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【半導体】TSMC、先進封止CoWoS増産計画を下方修正せず DIGITIMESレポート
2025-02-12 12:40:01
調査会社DIGITIMES Researchは2025年2月5日付レポートで、台湾系半導体サプライチェーンの話として、中国の低価格生成AI(人工知能)ディープシーク(DeepSeek)の台頭や、米中貿易摩擦、米国によるAIチップ輸出規制強化といった問題が次々と発生しているものの、現時点で米エヌビディア(NVIDIA)がAI GPUの生産発注を削減する動きは見せていないとし、ファウンドリ最大手の台湾TSMC(台積電)も、先進封止(パッケージ)「CoWoS(Chip on Wafer on Substrate)」の今後5年(2025~29年)の増産計画を修正なしで着実に推進していると伝えた。


DIGITIMESは、米トランプ政権が中国に対するAIチップ輸出規制を強化する傾向にある他、半導体等の製品に関税を課すと警告していること、さらに中国でディープシークが登場したのを背景に、AI向けGPUチップや半導体の実需に変化が生じ、結果、エヌビディアをはじめとする米国系AIチップ大手がTSMCに対する生産発注を見直す可能性があるとの懸念が市場に広がっているとした。

DIGITIMESの伝えた台湾系半導体製造装置業者は、TSMCのCoWoS生産能力全体の半数以上をエヌビディアが確保していると指摘。その上で、先に挙がった複数の懸念材料が台頭しながらも、エヌビディアがTSMC及び封止・測定(テスト)サプライチェーンと協働して、CoWoS生産能力の拡大に向けた動きを強化しているとした。

さらにこの業者は、TSMCのもとには現在なお、エヌビディアの他、米グーグル(Google)、米メタ(Meta)、米マイクロソフト(Microsoft)、米アマゾン(AWS)、米ブロードコム(Broadcom)、米マーベル(Marvell)、台湾MediaTek(聯発科)、米アップル(Apple)等の大口顧客から協力の要請が殺到していると指摘。このため、TSMCではAI ASICチップの生産需要が急速に増加しているとした。

この他、TSMC のCoWoS生産能力についてこの業者は、2024年末時点で単月3万5000枚強に達したとし、うち、CoWoS-Sが約2万枚、CoWoS-Lが約1万~1万5000枚、残りがCoWoS-Rだと紹介。その上で、TSMCが設定した今後5年の増産計画では、2025年末時点の生産能力は単月7万5000~8万枚に急上昇し、内訳はCoWoS-Sが2万枚超、CoWoS-Lが4万5000枚超、CoWoS-Rが約1万枚だとした。さらに2026年は単月9万5000枚、2027年は13万5000枚、2028~29年は単月15万枚に設定していると述べた。

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