【EMS/ODM】ノートPC主要5ブランド、中国以外の生産比率1%未満 25年Q1
2025-04-22 11:53:38
台湾の大手経済紙『工商時報』(2025年4月22日付)によると、調査会社DIGITIMES Researchはこのほど発表したレポートで、ノートPC主要ブランドである中国レノボ(Lenovo)、米アップル(Apple)、台湾エイサー(Acer=宏碁)、台湾ASUS(華碩)、台湾MSI(微星)について、中国以外の国・地域におけるNB生産能力が2025年第1四半期(1〜3月)、いずれも1%未満だったと伝えた。その上で、生産拠点を東南アジアへ移す動きはあるものの、25年上半期に、中国以外の地域からの米国向け出荷の不足分を補うのは困難だとの見方を示した。(=文末にノートPC主要6ブランドの中国以外の生産比率及び対米出荷ギャップ)
工商時報によると、レポートでDIGITIMESの伝えた台湾系NBサプライチェーンは、米中関税戦争の影響を回避するため、NBブランド大手各社はいずれも中国以外のNB生産能力の増強に踏み切っているが、25年上半期時点で、中国以外からの出荷能力は依然、限られたものになっていると指摘した。
DIGITIMESによると、ASUSはNB生産の一部をタイに移した。エイサーは一部をベトナムに移管した。MSIも台湾に一部の生産ラインを設けて対応している。また、米国向け出荷比率が高い米国系ブランドでは、HP(ヒューレット・パッカード)が過去1年でNB生産能力の約30%をタイへ移転した。デル(Dell)も同様に約30%をベトナムへシフトした。
DIGITIMESによると、HPとデルは25年第2四半期(4〜6月)、中国以外からのNB出荷比率を前期から3~5ポイント増やす。レノボは全体の1割弱を中国以外から出荷する。ASUSとエイサーは、中国以外からの出荷が5%前後にとどまる見込み。
アップルについてDIGITIMESは、「MacBook」シリーズのほとんどをODM(Original Design Manufacturer=設計・製造の受託)パートナーの中国工場で生産・出荷していると指摘。また、MacBook年間出荷量の約半分を米国市場向けが占めているが、25年第2四半期時点で、中国以外での生産比率が0.1%未満であることから、仮にNBが追加関税の対象になれば、NB主要ブランドの中で最も大きな影響を受けるとの見方を示した。
DIGITIMESは、NB主要ブランドの米国向け出荷比率について、25年第1四半期はデルとアップルが40%超、HPが30%以上、エイサーはChromebook及び法人向けモデルで24~25%、ASUSは11~13%だったとしている。