『経済日報』『中央社』等複数の台湾メディアが同日付で報じた。それによると、フォックスコンが14日に公表した2025年第1四半期(1〜3月)決算は、売上高が前期比23%減、前年同期比24%増の1兆6443億1600万NTドル(1NTドル=約4.8円)で、同期の最高を更新。売上総利益率は前期比0.04ポイント減、前年同期比0.21ポイント減の6.11%、純利益率は前期比0.39ポイント増、前年同期比0.09ポイント増の2.56%、税引後純利益は前期比9%減、前年同期比91%増の421億800万NTドルで同期の最高、EPS(1株あたり税引後純利益)は3.03NTドルで、前期の3.34NTドルを下回ったが、前年同期の1.59NTドルを大幅に上回った。
投資家向け説明会でフォックスコンの劉董事長は、関税や地政学的リスク、世界的な金融政策の変動が世界経済のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があるとし、販売予想自体は大きく変わらないものの、為替の影響によりNTドル換算での収益が減少する恐れがあるとし、25年3月の投資家向け説明会時点に比べ、25年の業績見通しについてより慎重な姿勢を取ると指摘。NTドルベースの売上高見通しを「顕著な成長」に下方修正するとした。ただ、米ドルベースではこれまでの見通しを維持するとした。
AIサーバーについて劉氏は、「現在、AIサーバーは注文が殺到している。問題は需要ではなく生産とテストのスピードだ」と指摘。「25年4月から、米エヌビディア(Nvidia)のAIスーパーチップ『GB200』搭載サーバーラックの大量出荷が始まっている。AIサーバーの出荷は四半期毎に増加する見込みだ。25年のAIサーバー関連売上げは前年から50%以上成長し、売上げ規模は1兆NTドルを突破する可能性がある」とした。
投資家が注目している米中関税政策の変化について劉氏は、「関税の影響は軽微」とし、グローバルでの生産能力構築を加速し、メキシコ、ベトナム、インド、欧州における生産能力が着実に整備されてきていると強調。また、「たとえ関税によって一部地域の原材料や物流コストが短期的に上昇しても、顧客との柔軟な協議と統合、生産自動化、スケールメリットによって利益を安定させ、競争力を維持していく」とし、長期的にはこの変化がフォックスコンの変革を後押しする機会にもなると述べた。
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