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【半導体】ファーウェイの半導体ファブ、既に11カ所の報道 IDMへ着々 韓国メディア
2025-05-16 11:50:57
韓国メディア『TheElec』は2025年5月14日付で、携帯電話・通信機器大手、中国ファーウェイ(Huawei=華為)の半導体分野における取り組みと戦略についての記事を掲載。中国で直接、間接的に運営するウェハー工場(ファブ)が少なくとも11カ所に上る他、研究・開発(R&D)用ファブも含めれば20カ所近くになると報じた。


TheElecは、ファーウェイのファブについて、メモリ、システム半導体、ファウンドリ(受託製造)があると指摘。同社が急速に垂直統合型半導体企業(IDM)へと進化していることを示すもので、「中国版サムスン電子」「中国版インテル」を目指していることの表れだとした。

TheElecは、2019年以降、米国が対中半導体制裁を強化したのを受け、中国政府の支援を背景に、ファーウェイがIDM戦略を急速に加速したと指摘。直接、間接的に少なくとも7社の半導体関連企業を所有・運営しており、掌握するファブは11カ所以上に上るとした。半導体関連企業7社はQingdao SiEn(青島芯恩集成電路)、DGGMT(東莞光茂科技)、PXW(深セン鵬芯旭技術)、PST(深セン鵬芯微集成電路)、SWX(深セン昇微旭技術)、PJHT(晋鴻科技)、JHICC(福建晋華科技)で、主要業務はファウンドリ、DRAM、IoT(モノのインターネット)・モバイル端末向けチップ等多岐にわたるとした。

さらに、これら半導体関連企業の大半には、中国政府も出資していると指摘。具体的には、Qingdao SiEnは青島市国有資産監督管理委員会傘下の国有企業が所有、東莞光茂も同様だとした。また、深センにある鵬芯旭、鵬芯微、昇微旭は、株式を深セン市の重大産業投資グループが100%保有しており、半導体、AI(人工知能)、先進製造業等の戦略産業に対する投資・経営を担っているとし、表面的な株主とは異なり、これらのファブは実質的にファーウェイが掌握していると中国の業界では見ていると指摘。これらの企業自身も「経営しているのはファーウェイ」と認識しており、名前を変えることでファーウェイと無関係に見せかけ、独自の半導体エコシステムを密かに構築しているとした。

また、11カ所のファブのうち、青島芯恩、東莞光茂、鵬芯微、鵬芯旭、昇微旭の5カ所は7nm(ナノメートル)より先進プロセスに対応可能だと指摘。うち鵬芯旭はファーウェイ幹部が創設した最大規模のファブ、昇微旭のファブは主にDRAMを製造、元エルピーダ社長の坂本幸雄氏(個人)が元CEO(最高経営責任者)だったとした。さらに青島芯恩のファブは、主にIoTチップを製造、創業者はファウンドリ中国最大手SMIC(中芯国際)を創業した張汝京氏だとした。鵬芯微と東莞光茂のファブについては、モバイル端末向けチップが中心だとした。

研究・開発拠点については8カ所10拠点あるとし、広東省東莞の「施設A」は3段階に分けて完成予定で、第3段階だけでも6兆ウォン(ウォン=約0.1円)規模の投資が行われる予定だとした。「施設B」は6棟の建物で構成され、量産機能を持つ可能性があるとした。

TheElecは、中国政府が2024年に立ち上げた国家IC産業投資ファンド(国家集成電路産業投資基金=大基金)プロジェクト3期(大基金3期)は3440億元(1元=約20.1円)で、10年に及んだ第1、2期の合計額に匹敵する規模だと指摘した。また、2023年10月に韓国で開催された「中国専門家フォーラム(CSF)」の報告書では、23年上半期までにファーウェイの投資会社「Hubble Technology Investment(哈勃投資)」と「深センHubble」が計79社に出資したと指摘。アナログIC、有線・無線通信チップ、センサーチップに集中投資したと紹介したと伝えている。

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