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【産業動向】データセンター相互接続市場動向 TrendForceレポート
2025-05-22 10:37:44
調査会社TrendForceは2025年5月19日に公表したレポートで、データセンター相互接続(Data Center Interconnect=DCI)市場の世界生産額が25年、前年比14.3%増の成長を見せ400億米ドルを突破するとの見通しを明らかにした。生成AI(人工知能)が日常生活に徐々に浸透する中、韓国SK Telecomや独Deutsche Telekomなど世界の主要通信キャリアが、一般ユーザー向けにエージェント型AI(Agentic AI)サービスの提供を開始したとし、これによりデータセンターの建設が加速し、DCI技術への注目が高まっていることが、成長の加速につながっているとした。


DCI技術についてレポートは、複数のデータセンター間で短距離から長距離に至る高速なデータ転送を可能にすることで、大量のAI処理による負荷を軽減する役割を担うものだと紹介。目下、光通信機器メーカーが米国、北欧、東南アジア等で通信キャリアと協働し、DCIの導入検証を進めているとした。中でも米Cienaが最も積極的で、同社のDICサービス「Wavelength Logic6 Extreme」ソリューションはスウェーデンTelia、アラブ首長国連邦(UAE)e&、スウェーデンArelionといった通信キャリアが採用しているとした。

また、フィンランド・ノキア(Nokia)はDCI事業をサウジアラビアやベトナムに拡大しており、うちベトナムでは通信キャリア大手Viettelと提携し、PSE-6s光エンジンを使用してテラバイト級の通信速度で都市間を接続するデータセンター間通信を実現している他、通信キャリア傘下のデータセンターに対し、400G、800G、1.6Tの高速光トランシーバーの導入を推進しているとした。

TrendForceは、DCI市場の拡大が、800Gと1.6T光トランシーバモジュールといった部品の需要増を後押しすることが期待されると指摘した。

グローバルのDCI産業チェーンとしては、川上ではレーザー光源、光変調器、光センサーモジュール、レーザーダイオード、光ファイバーケーブル等の開発・製造が中心だと指摘。川中では米シスコ(Cisco)、ノキア、中国Zhongji InnoLight(中際旭創)等が主要プレイヤーで、光通信トランシーバ等を、Cienaのようなソリューションベンダーに供給しているとした。

この他、台湾系の光通信関連サプライチェーンうち、Browave(波若威)が波長多重分離器、FOCI(上詮)、Luxnet(華星光通)、PCL(衆達)、前鼎が光トランシーバモジュールを供給しており、シスコやノキアのDCI需要増で恩恵を被るだろうとした。また、DCI対応のスイッチ製品で、Accton(智邦)、SerComm(中磊電子)、WNC(啓碁)等の台湾系ネットワーク機器大手がソリューションを提供し、米国系通信事業者やCSP(クラウドサービスプロバイダ)の需要に応えているとしている。

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