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【半導体】エヌビディア、RTX PRO 6000に中国市場向け特別仕様版 メモリはGDDR7 TrendForceレポート
2025-05-29 10:57:57
調査会社TrendForceは2025年5月28日付レポートで、米国の新たな輸出規制に応じ、AI(人工知能)GPU最大手の米エヌビディア(NVIDIA)がBlackwellアーキテクチャGPU「RTX PRO 6000(旧B40)」の低電圧・スペック版、すなわち中国市場向け特別仕様版を投入予定だとした。搭載するメモリは、広帯域メモリ「High Bandwidth Memory=HBM」からGDDR7に変更、最速で2025年下半期に登場するとしている。


レポートでTrendForceは、米トランプ政権が4月に発表した新たな輸出規制により、エヌビディアの「H20」等、メモリ帯域幅やインターコネクト帯域幅等の性能が同等以上のチップを中国市場に出荷する場合、追加の許可が必要になったため、エヌビディアの顧客である中国系クラウドサービスプロバイダ(CSP)は現在、中国専用AI GPU「H20」の入手が困難になっていると指摘。また、エヌビディアが25年下半期に投入予定だった中国向け新製品「B30」も、計画変更が予想されるとした。

その上でTrendForceは、RTX PRO 6000中国特別仕様版について、性能は前世代の「L40S」と中国専用「L20」の中間にあると予想。L20は主に中国系CSPの小規模モデルの学習やAI推論用途に使用されており需要が安定しているとし、RTX PRO 6000特別仕様版も、同様の市場ニーズを継続的に取り込むことが期待されるとした。一方、高性能なHBM搭載製品であるH20やB30が中国市場で入手困難になる中、エヌビディアは今後、ファーウェイ(華為=Huawei)や寒武紀(Cambricon)をはじめとする中国系AIチップメーカーとの競争が一層激しくなるとの見通しを示した。

レポートによると、RTX PRO 6000の中国特別仕様版では、メモリをHBM3eからGDDR7に変更することで、米国の輸出制限に対応する。レポートはGDDR7について、エヌビディアが「RTX 50」シリーズのコンシューマー向けGPUを正式に発表、主要メモリメーカー3社もGDDR7の量産を順次開始しているが、ゲーム機などの他のコンシューマ向け用途でGDDR7を導入する計画はまだなく、2026年上半期までは、GDDR7の主な需要はPC・ワークステーション向けGPUやAIサーバー用途に集中するとの見方を示した。

メモリの供給面では、2025年にはサムスン電子(Samsung Electronics)がGDDR7の量産計画と生産能力の拡張で先行、供給シェアは70%に達すると予想した。エヌビディアもサムスン製GDDR7への依存度が高いとの見方を示した。

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