【半導体】ファブレスIC設計トップ10社売上高、25年Q1は前期比6%増 TrendForce調査
2025-06-16 12:12:41
調査会社TrendForceは2025年6月12日、ファブレスIC設計世界トップ10社の2025年第1四半期(1~3月)売上高が前期比6%増、前年同期比44%の774億800万米ドルで四半期の最高だったことを明らかにした。首位は423億6900万米ドルの米エヌビディア(Nvidia)で、1社でトップ10全体の約55%を占めた。(=文末に上位10社の売上高と成長率)
トップ10のうち、2位の米クアルコム(Qualcomm)、4位の米AMD、9位の中国OmniVision(豪威)を除く7社が前期比で成長を見せた。これについてTrendForceは、第1四半期はIC設計産業の伝統的な閑散期だが、コンシューマ向け電子機器の顧客による相互関税の猶予期間に伴う前倒し出荷や、世界各地でAI(人工知能)データセンターの建設が進んでいること等を背景に、半導体チップの需要が例年の閑散期を上回り、産業全体の成長を支えたと評した。
首位のエヌビディアについては、「Blackwell」アーキテクチャAI GPUの出荷拡大にけん引される形で、前期比12%増、前年同期比72%増の423億6900万米ドルで引き続き四半期の最高を更新したと指摘。25年第2四半期(4〜6月)は米国の新たな輸出規制の影響を受け、損失の計上を余儀なくされるとしたが、単価の高い「Blackwell」アーキテクチャがHopperに代わり主流になることで、財務的な影響の緩和が期待されるとの見方を示した。
この他、4位のAMDについては、データセンター関連の売上高が前期より小幅に減少した他、ゲーム及び組込式製品の販売低迷が続いた影響で、売上高は前期から約3%減少したが、前年同期比では36%増の大幅な成長を維持したと指摘。また、25年下半期には「MI300」の次世代プラットフォーム「MI350」の量産規模を拡大、26年にはエヌビディアの「Blackwell」・次世代「Rubin」の競合となる「MI400」を投入してエヌビディアの独走阻止を図るとした。
9位の中国OmniVision(改名前=WILLSEMI=韋爾半導体)については、高性能CIS(CMOSイメージセンサー)がスマホ市場の伝統的な閑散期の影響を受け、売上げが比較的低迷したが、車載向けCIS分野では中国系EVメーカーのスマートドライビング支援システム向けで著しい進展を見せたと紹介した。