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【EMS/ODM】トランプ一族企業がスマホ発表 「米国製造」強調も組立は中国Wingtech 台湾メディア
2025-06-18 11:05:15
トランプ米大統領の一族が経営する米の非上場企業The Trump Organizationは2025年6月16日(現地時間)、携帯電話サービス「Trump Mobile」の立ち上げを表明するとともに、オリジナルの米国製スマートフォン「T1 Phone」を発表、同9月に発売予定だと公表した。これについて、台湾の金融メディア『Aune』は17日付で、T1 は米の通信キャリアT‑Mobile の「REVVL 7 Pro 5G」とほぼ同型で、中国Wingtech(聞泰科技)が製造したものだとし、外装とカラーを変えて愛国ロゴを貼っただけで、主要部品は海外からの輸入だと報じた。


Anueによると、トランプ大統領の息子であるエリック・トランプ氏とドナルド・トランプ・ジュニア氏が6月16日、ニューヨークのトランプタワーで「Trump Mobile」および初号機「T1」を正式に発表した。価格は499米ドルで、「米国製設計・製造」を強調している。MVNO(仮想移動体通信事業者)としてAT&T、T‑Mobile、Verizon の回線を借用、月額47.45米ドルの「47プラン」を本体とセットで提供する。

Auneによると、テック系アナリストのMax Weinbach氏は17日付の「X」(旧ツイッター)投稿で、T‑Mobile の「REVVL 7 Pro 5G」とほぼ同型で、ディスプレイやカメラ、メモリ、プロセッサ等の部品はすべて海外からの輸入だと指摘した。また、Anueの伝えた台湾のハイテク業界筋は、REVVL 7 Pro 5G同様、Trump T1もWingtech、すなわちWingtechのODM(Original Design Manufacturer=設計・製造の受託)事業を買収した中国LUXSHARE-ICT(立訊精密)が設計・製造を手掛けたものだとした。また、Trump T1の価格499米ドルは、REVVL 7 Pro 5Gの169〜250米ドルを大きく上回っているとした。

Anueはまた、米Johns Hopkins 大学のサプライチェーン専門家 Tinglong Dai 氏の見方も紹介。米国でゼロからスマホを自前生産するには少なくとも5年の準備期間と数十億米ドルの投資が必要と指摘。米国内で最終組立てをして499米ドルで利益を確保するのは困難だとの見方を示した。

Anueの伝えたアナリストは、米国製造の外套を纏っているが、中身はミドルレンジの中国製アンドロイド(Android)スマホだと評した。

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