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【車載】レアアースと車載センサーの重要な関係 中国の輸出規制で浮き彫りに 中国メディア
2025-06-26 10:15:23
中国のセンサー情報メディア『OFweek伝感器網』は2025年6月18日付で、中国が25年4月からレアアース(希土類)のうち中・重希土類に分類されるサマリウム(Samarium)、ガドリニウム(Gadolinium)、テルビウム(Terbium)、ディスプロジウム(Dysprosium)、ルテチウム(Lutetium)、スカンディウム(scandium)、イトリウム(Yttrium)の7つに対して輸出規制措置を実施したことで、これらをコア材料とする車載用センサーの供給が寸断しており、自動車メーカーの中には操業停止に追い込まれるところも出ていると報じた。


OFweekによると、ドイツ自動車工業会(Verband der Automobilindustrie=VDA)は6月3日、「中国のレアアース輸出許可証の審査遅延と通関の難航は、車載用コアセンサーの供給中断を招いた。仮にこの情況が続くのであれば、独フォルクスワーゲン(Volkswagen)、独BMWは数週間で操業停止に直面する恐れがある。欧州の他、日本、米国、インドの自動車メーカーも危機を回避できないだろう」との懸念を示した。

さらにOFweekは、米ゼネラル・モーターズ(GM)、トヨタ自動車(TOYOTA)、フォルクスワーゲン、韓国ヒュンデ(現代自動車)といった自動車メーカーを代表する企業が加盟する米の業界団体、自動車イノベーション連盟(Alliance for Automotive Innovation)と自動車部品製造メーカー協会(MEMA)が25年5月、米国政府に連名で書簡を送り、「仮にレアアースの永久磁石を安定して獲得することができなければ、自動車サプライヤーは、オートマチックトランスミッション、スロートバルブ、AC発電機、各種モーター、センサー、シートベルト、スピーカー、照明設備、パワーステアリングシステム、カメラ等、重要な自動車部品の生産ができなくなる」と訴え、「情況が最も深刻になれば、減産や車両組立ラインの閉鎖を余儀なくされ、米国にある自動車メーカーは操業停止に直面すると訴えた」と報じた。

その上でOFweekは、これらの状況は、レアアースがセンサーや自動車製造にとってかけがえのない存在であることを示すもので、ハイエンドセンサーの生産にとって重要な材料になっていると指摘。各センサーとレアアースのかかわりを紹介した。

磁気センサー
ネオディム(Neodymium)、ディスプロジウム(Dysprosium)は高性能NdFeB永久磁石製造用コア材料で、新エネルギー自動車のドライブモーター、電気パワーステアリングシステム、センサー等に応用されている。

光電センサー
エルビウム(Erbium)、イタービウム(Ytterbium)をドープした光ファイバーは、レーザー、レーダーの光源に応用されるゲイン媒体。セリウムベースの酸化物はイメージセンサーのフィルターの重要なコーティング材料。

圧力・温度センサー
ニオプ酸リチウム(Lithium niobate)は優れた圧電効果で、MEMS圧力センサーのモジュールに応用される。その測定精度は高く、非希土類材料ソリューションを大きく上回る。

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