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【産業動向】台湾INNOLUX、パイオニアを1636億円で買収
2025-06-27 11:17:06
パネル大手、台湾INNOLUX(群創)は2025年6月26日、シンガポール子会社CarUX が投資会社 EQTからパイオニア(Pioneer) の全株式を1636億円で取得することで合意したと表明した。台湾の大手紙『経済日報』(27日付)は、INNOLUXが2010年、1860億NTドル(1NTドル=約4.9円)でCMO(奇美電)、TPO(統宝)を合併して以来、同社による15年ぶりの大型買収だと評した。


経済日報によると、INNOLUXの洪進揚・董事長(会長)は26日に台湾証券取引所で開いた会見で、CarUXによるパイオニアの買収・合併について説明。株式譲渡は銀行融資で進められる予定で、日本の投資審査当局及び各国の独占禁止法審査を経る必要があるとし、順調に進めば2025年末までに完了する見込みだと述べた。また、CarUX の売上高は2024年に約500億NTドルだったとし、パイオニアを統合後の「新CarUX」は、売上高1000億NTドルの突破が期待されるとした。

CarUX について洪氏はさらに、スマートコックピット統合ソリューションに特化したTier 1サプライヤーで、今回の買収は パイオニアとの補完的な強力なシナジー効果を生むと強調。パイオニアは車載用オーディオ、マルチメディアシステム、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)ソフトウェアの分野で高い技術力を有しており、トヨタ自動車(Toyota)をはじめとする世界の主要自動車メーカーと長年にわたる安定した協力関係を築いていると評し、CarUX の成長戦略にとって大きな付加価値があると述べた。

さらに洪氏は、今回の戦略的買収によりCarUX は、アジア太平洋市場を強化できる他、パイオニアが長年築いてきた車載オーディオ分野の基盤を生かし、マルチプラットフォーム対応のTier 1 サプライヤーへの進化が期待されると指摘。両社の技術力を融合し、スマートコックピットにおける映像、音響、HMI機能の統合を加速することで、製品競争力がさらに高まるとした他、両社の研究開発・製造拠点を統合することで、より迅速な地域対応力を実現し、世界の自動車メーカーや消費者の進化するニーズに応えていく方針だとした。

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