工商時報の伝えた台湾の半導体業界筋は、ADD自動運転支援システム、T-BOX通信モジュール、スマートコックピット、VCCD車両ドメインコントローラーを統合したことで、YU7が制御ユニットの数とサイズを大幅に削減、全車両の効率的な統合制御を実現したと指摘。車載システムには、4-in-1のドメインコントロールモジュールを搭載し、車両の電子電気アーキテクチャのさらなる統合を図っているとした。クアルコムの第3世代「Snapdragon 8」プラットフォームと、エヌビディアの「Drive AGX Thor」車載コンピューティングプラットフォームを搭載、AI(人工知能)性能は最大700 TOPS(1秒あたり700兆回の演算)に達していると述べた。
一方、同紙の伝えた台湾の半導体サプライチェーンは、いずれのチップもTSMCの4nmプロセスを採用し、自動車向け製造フローや各種車載規格(AEC-Q100、ISO 26262等)に準拠したもので、安全性と信頼性が確保されていると指摘。うち、クアルコムのプラットフォームは元々民生用として開発されたものだが、車載向けの調整を経て、現在は厳しい自動車規格にも適合していると述べた。
このサプライチェーンはさらに、TSMCが車載分野における先進プロセス取り組みを強化しており、3nmシリーズの「N3A」は25年中に車載グレードの認証取得を予定している他、Automotive Design Enablement Platform(車載設計支援プラットフォーム)及びN3A用のバージョン1.0設計キットもリリースする見込みだと指摘。その上で、今後もTSMCが車載用先進半導体市場を主導するとの見方を示した。
先の業界筋は、統合型の車載アーキテクチャが進展する中、プロセッサやMCU(マイクロコントローラ・ユニット)、ASICに加え、車内ネットワーク、センサー、パワーマネジメントIC等の需要も全面的に増えていると指摘。従来の分散型ECU(電子制御ユニット)は、モジュール化や安定性といった利点があるものの、スタック型設計であるためデータ統合が難しく、インターフェースも多様化することから、車載ソフトウェアの統一的な発展を妨げてしまうとした。その上で、今後は「誰が車載SoC(システムオンチップ)とAIチップのハード・ソフト統合を制するか」が注目されるとした。
【関連情報】
【産業動向】小米、売上高・利益とも四半期の最高 25年Q1
【車載】小米、EV電池でCATLの最大顧客に
【産業動向】小米、固体電池の合肥因勢新材料に出資
【車載】新エネ車世界販売、25年Q1は39%増 EV・PHEVトップ10シェア一覧 TrendForce調査
【車載】小米SU7、同期間の中国販売台数でテスラModel 3凌駕
※中国・台湾市場調査ならEMSOneにご用命ください。台湾のシンクタンク、TRI社との共同調査にて、最新の情報をお届けいたします。 先ずはこちらまでご相談ください。
※EMSOneでは日系企業様に向け、コストダウンに向けた各種アウトソーシングサービスの提案を行っています。EMS或いはODMを通じたコストダウンについては こちらをご覧ください。