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【EMS/ODM】iPhone、熱対策にベイパーチャンバー初採用 グラファイトシートとのハイブリッド 台湾報道
2025-07-29 10:48:39
台湾の大手紙『経済日報』は2025年7月28日付で、より強力な性能を備えた新型アプリケーションプロセッサ(AP)「A19・A19 Pro」に対応し、かつより薄型化した筐体設計を実現するため、米アップル(Apple)がスマートフォンの25年モデル「iPhone 17」シリーズの熱対策に、放熱板「ベイパーチャンバー(VC)」を採用するとの情報が、台湾業界に広がっていると報じた。同紙によると、iPhoneが熱対策にベイパーチャンバーを採用するのは初めて。


経済日報は、アップルが2007年に投入した初代iPhone以来、熱対策にはグラフェンを用いたグラファイトシートを採用、供給はパナソニック(Panasonic)とカネカ(Kaneka)の日系2社が寡占してきたと指摘。ただ、AI(人工知能)演算能力を強化したA19・A19 Proプロセッサを搭載することで、従来のグラファイトシートでは熱処理が追いつかなくなったため、iPhone 17では「ベイパーチャンバー+グラファイトシート」のハイブリッド冷却設計へと踏み切ったと報じた。

同紙の伝えた台湾の業界筋は、iPhone 17シリーズに導入される新しい設計は VCが主体、グラファイトシートを補助とするハイブリッド型冷却ソリューションで、これはA19チップの高性能化とAI演算能力の強化による発熱増加への対応だと指摘。グラファイトシートによる冷却が限界に達している他、従来のヒートパイプはサイズが大きく、薄型スマホには適さない為でもあるとした。また、超薄型ベイパーチャンバーは軽量・小型で、冷却効率でグラファイトシートやヒートパイプを大きく上回り、熱を均一に分散し、局所的な過熱を防止できるとした。

供給業者について同筋は、台湾系放熱モジュール業者のうち現地時点でスマホ向け超薄型ベイパーチャンバーの量産体制を確立しているのはAVC(奇鋐)とAuras(双鴻)のみだと述べた。一方で、中国TIANMAI(蘇州天脈)も巨大な生産能力を背景に、受注獲得を積極的に狙っているとした。

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