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【液晶パネル】AUO会長「伝統的な最盛期の兆しが見えない状況」 INNOLUXも同調 台湾報道
2025-08-01 11:31:20
台湾の大手紙『経済日報』は2025年8月1日付で、台湾のパネル大手、AUO(友達)とINNOLUX(群創)の2社が7月31日、25年下半期の末端市場見通しについて、「伝統的な最盛期の兆しが見えない状況」との懸念を揃って示したと報じた。うちAUOは、これまで300億NTドル(1NTドル=約5円)としていた25年の設備投資見通しを、7%引き下げ280億NTドルに下方修正したと伝えた。


経済日報によると、AUOの彭双浪・董事長(会長)は7月31日に開いた投資家向け説明会で、25年下半期の見通しについて、NTドル高や関税の不透明感により、顧客であるブランド業者が在庫を厳格に管理し、調達に保守的だとし、25年第3四半期(7〜9月)の出荷は用途を問わず前期から減少すると予想した。売上高はNTドル建てで前期比減、米ドル建てでは横ばいを見込んだ。

さらに彭氏は、25年下半期の最盛期効果は例年ほど期待できないと指摘。末端市場の需要先行きも慎重に見ていることから、2025年の設備投資を下方修正し、300億NTドルから280億NTドルに引き下げるとした。

一方、関税の影響について彭氏は、パネルは部品であり米国向けの直接の輸出比率は低く、大半がFOB方式での取引で、顧客の製品も多くは免除リストに含まれていることから、これまで影響は限定的だったと述べた。また、同社では車載空調制御機器大手の独BHTCを買収したことにより、東南アジア、インド、欧州、メキシコ、北米に事業拠点を整備できたとし、今後は関税の変動に応じてこれら拠点を柔軟に調整し、必要に応じてサプライチェーンと連携し最適な生産体制を構築していくとの考えを示した。

一方、INNOLUXについて経済日報は、7月31日に実施した2025年上半期決算の公表で、25年下半期の見通しについて、関税問題や一部顧客の前倒し調達の影響で、パネル需要は保守的なものに転じるとし、これによりパネル業界は全体が「需要に応じた生産」を採用し、需給バランスと価格秩序の維持を図っていくことになるとの見方を示したと報じた。25年第3四半期(7〜9月)の出荷についても全製品ラインで減少すると予想。うち商用向け及び非ディスプレイ製品は前期比約3%減、コンシューマ向けは同5%減を見込むとした。

経済日報は、パネルはスマートフォン、ノートPC(NB)、PC等、コンシューマ向け電子機器に不可欠な部品だとし、AUOとINNOLUXの警告は、欧米の感謝祭やクリスマス商戦における需要が低調で、25年下半期の伝統的な最盛期効果が期待外れに終わる可能性を示していると指摘した。

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