【産業動向】台湾Eternal、ナミックスと長瀬産業退けTSMCの先進封止材料独占 著名ウオッチャー
2025-08-18 12:03:42
米アップル(Apple)のウオッチャーとして著名な天風国際証券アナリストのMing-Chi Kuo氏は、米ブログサイトMedium(ミディアム)の2025年8月13日付投稿で、合成樹脂の台湾Eternal(長興材料)が、ファウンドリ最大手台湾TSMC(台積電)の先進封止(パッケージ)材料サプライヤーに初めて選定され、米アップル(Apple)の次世代アプリケーションプロセッサ(AP)とシステムオンチップ(SoC)向けで、MUF(Molding Underfill)ではナミックス(Namics)、LMC(Liquid Molding Compound)では長瀬産業(Nagase)を退け、供給を独占するとの見方を示した。
投稿でKuo氏は、アップルが26年の量産化を予定している次世代AP「A20」とSoC「M5」でいずれも新たなパッケージ技術を採用すると指摘。26年版iPhone用A20プロセッサでは、従来のInFO(Integrated Fan-Out)からWMCM(Wafer-level Multi-Chip Module)に移行するとした。WMCMについては、UnderfillとMoldingを統合したMUFを使用することで、材料使用量と工程数を減らして歩留まりと生産効率を向上させることが可能になるとした。
一方、MacBookシリーズの26年モデル用M5プロセッサでは、UnderfillとMoldingを分離したLCM構造を続けて採用するものの、CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)技術を部分的に導入する予定だとした。
Eternal についてKuo氏は、TSMCの認証を通過し、A20向けWMCM用MUFではナミックス、M5向けMolding用LMCでは長瀬産業を退け、独占サプライヤーになったと指摘。早ければ2026年にCoWoS LMCの出荷を始め、2027〜2028年に独占・主要サプライヤーになる見込みだとした。その後についても、2029年に投入予定のCoPoSでパッケージ面積が拡大するため、LMC使用量が約30%増加することで、供給規模が拡大するとの見方を示した。
Kuo氏は、先進封止用材料について、設計、製造とも難度が高く、これまでは日系企業が供給を独占してきた他、利益率も50〜70%以上だったと指摘。その上で、TSMCはコスト競争力と研究・開発(R&D)の柔軟性を維持するため、台湾系の新規サプライヤーを積極的に採用しているとした。
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