【産業動向】ABF基板不要の先進封止CoWoP、台湾・中国PCB各社が受注へ虎視眈々 DIGITIMESレポート
2025-08-27 11:55:29
調査会社DIGITIMES Researchは2025年8月22日付レポートで、AI(人工知能)GPU最大手の米エヌビディア(Nvidia)は2027年に投入する次世代RubinアーキテクチャAI GPU「GR150」で、台湾TSMC(台積電)と共同開発したABF基板を不要にした革新的な先進封止(パッケージ)技術「CoWoP(Chip-on-Wafer-on-Platform PCB)」を採用する予定だとした。また、ZDT(臻鼎)、Unimicron(欣興)、COMPEQ(華通)等の台湾系PCB(プリント基板)大手の他、WUS Printed Circuit(滬士電子)、SHENG HUNG(勝宏)の中国系PCB業者も、関連PCBの開発に取り組んでおり、サンプルを送ったとの情報が、中国のPCB業界や台湾系PCBサプライチェーンに広がっていると伝えた。
レポートによると、台湾系のあるPCBサプライチェーンは、ABF基板に代わりCoWoPの最下層に位置するPCBマザーボードの受注を目指し、ZDT、Unimicron、COMPEQ、WUS Printed Circuit、SHENG HUNGがエヌビディアに試作品を提出した他、銅箔基板(CCL)の台湾EMC(台光電)と台湾ITEQ(聯茂)もエヌビディアの要請を受け、関連プロジェクトに積極的に取り組んでいると述べた。ただ、2027年に登場予定のGR150は依然として開発の初期段階にあり、エヌビディアがCoWoP以外にも複数の先進封止技術を並行して検討していることから、最終的にどの技術を採用するかは今後の動向次第だと強調した。
CoWoP技術についてレポートは、CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)アーキテクチャを基盤に進化させたものであり、最大の特徴はコストの高いIC基板を完全に排除し、チップが乗ったシリコン・インターポーザーを直接、PCBマザーボードに実装することだと紹介。従来の先進封止技術と比較し、コスト効率の向上と信号完全性の改善が期待できるが、製造・プロセス面の課題も大きいとした。
また、仮にCoWoPが実用化すれば、従来ABFや高機能IC基板を主導してきたイビデン(Ibiden)やUnimicronに集中していたシェアは、サブストレートPCB(SLP)やHDI能力を持つPCBメーカーにも獲得のチャンスが広がることになると指摘。とりわけ、これまで水面下で技術を磨いてきた中国系PCBメーカーにとっては、大きな飛躍のチャンスになると評した。
ただ一方でレポートが伝えた台湾の業界筋は、イビデンとUnimicronがいずれも重要なPCB製造プロセス技術を擁していること、ハイエンドAIチップ基板の精密配線処理でも実績を積んでいること、さらにエヌビディアと長期的な提携関係を築いていることから、同2社の優位性は揺るがないとの見方を示した。
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