レポートでDIGITIMESは、米国で中国の製造装置に対する規制が強まることを見越したTSMCが、最先端の2nm(ナノメートル)プロセス生産ラインから、中国製の製造装置を排除するとした『Nikkei Asia』の8月25日付報道を紹介。その上で、米国の規制によるリスクの回避を念頭に、サプライチェーンに対する定期の調査を例年より前倒しで始めたTSMCが、2nm製造ラインで中国製装置の使用を全面的に中止することを決めたとした。さらに、台湾系の製造装置及び材料サプライヤーについても監査を強化しているとした。
DIGITIMESの伝えた半導体サプライチェーンは、TSMCがサプライヤーの利益率に注目していると指摘。製造装置・材料メーカーの多くが30〜60%の利益率を維持しているが、TSMCの利益率58%や長期目標の53%を上回っていることから、TSMCではこれらサプライチェーンには「値下げの余地」があると見なし、25第4四半期(10〜12月)に始める2026年分の調達交渉で、15%超の値下げを求める可能性があると述べた。
さらに、台湾系のある製造装置サプライヤーは、中国市場に対する売上げの依存度も、TSMCが審査の対象にしていると指摘。TSMCは2026年から、中国依存度の高い台湾系企業を排除する方針だとし、既に一部の企業で受注減少の影響が出ていると語った。
この製造装置サプライヤーは、米中の対立が長期化する中、TSMCが米国の規制遵守を最優先にしていると指摘。結果、エッチング装置の中国AMEC(中微半導体)や中国NAURA(北方華創)、露光装置技術開発の中国SiCarrier(新凱来技術)といった中国系企業の製造装置は先進プロセスの調達リストから完全に外されたと述べた。さらに、TSMCは台湾系サプライヤーにも売上総利益率や中国における売上げ比率の開示を求めており、リスク回避を徹底しているとした。
このサプライヤーは、中国のファウンドリや封止・測定(パッケージ・テスト)OSAT大手からの受注は規模が大きく、利益率もTSMCより高いため、台湾系装置・材料メーカーは近年、中国市場での受注を拡大していると指摘。これに対してTSMCからの受注は利益率が低く、2年間の無償デモ提供を要求されることから、サプライチェーンにとってはブランド価値向上にはつながるが、赤字覚悟の取引となる場合も多いと述べた。
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