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【半導体】中国企業のHBM在庫、25年末に枯渇 華為のAIチップ生産に支障も 米調査会社
2025-09-10 12:37:12
『中国時報』『工商時報』等のネット版『中時新聞網』(2025年9月9日付)によると、米の半導体調査会社SemiAnalysisは最新レポートで、中国企業が持っている輸入HBM(高帯域幅メモリ)の在庫は25年末期に枯渇するとの見方を示した。仮に海外から追加分のHBMを調達できなければ、中国ファーウェイ(華為=Huawei)が2026年に100万枚規模のAI(人工知能)チップ生産を維持するのは困難になるとしている。


報道によると、レポートでSemiAnalysisは、HBMの生産は中国にとって大きな課題だとし、これを認識している中国当局は、米国との通商交渉でHBMの規制緩和を要求したと指摘。また、中国が韓国サムスン電子(Samsung Electronics)と取り引きを行い、サムスンが中国の顧客に製品を販売、その顧客が在庫をファーウェイに渡す形でHBMを備蓄してきたとした。

レポートは、サムスン電子のみで1140万個のHBMを中国に直接供給したとし、うち700万個は規制発表から実施までの1カ月の間に出荷されたものだと指摘。他の供給元や輸送ルートを含め、サムスンは合計1300万個を中国に供給したことが見込まれるとした。ただ、この量は、ファーウェイのチップ「Ascend(昇騰)910C」約160万個分にしか相当しないとし、消費ペースを考慮すると、25年末には在庫の枯渇が顕在化するとした。

SemiAnalysisは、中国のHBM生産について、国産代替策として、中国CXMT(長鑫存儲)等がHBM開発を進めているが、汎用DRAMからHBMへの転換には高度な設備と技術の蓄積が必要だとし、CXMTは装置の調達や歩留まり改善で課題を抱えていると指摘。ただ、継続的に設備を確保しプロセス改善が進めば、早ければ2026年にHBM3eの量産化を実現し、部分的な打開につながる可能性はあるとの見方を示した。

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