Site Meter
【半導体】中国国家IC産業投資ファンド、先進封止向け製造装置に資金投入
2025-09-17 11:24:30
中国メディア『科創版日報』jは2025年9月12日付で、中国の国家IC産業投資ファンド(国家集成電路産業投資基金=大基金)のプロジェクト3期(大基金3期)が先進封止(パッケージ)向け製造装置メーカーの中国Piotech(拓荊科技)の資金調達に参加したと報じた。これについて、台湾の大手紙『経済日報』は15日付で、中国の大基金3期は「計画段階」から「実戦段階」へ移行、中国で新たな半導体投資ブームが幕を開けたと評した。


科創版日報は、米中ハイテク摩擦が激化する中、中国当局が国産半導体産業への資金注入を加速していると指摘。24年に立ち上がった大基金3期の規模は3440億元(1元=約20.6円)と、2014年に立ち上がったプロジェクト1期の1387億元、2019年の第2期の2041億元の総額3427億元を上回る規模だとした。また、大基金3期が全額出資する3つの子ファンド(華芯鼎新、国投集新、国家人工知能産業投資基金)が相次いで登録を完了。登録資本金はそれぞれ930億9300万元、710億7100万元、600万6000万元だが、これまで具体的な投資プロジェクトを公表していなかったとした。

その上で科創板日報は、Piotechが9月12日、子会社の拓鍵荊科がプレマネーバリュエーション250億元で最大10億3900万元を調達する計画を公表、その投資家の1つに大基金3期傘下の国投集新が含まれていることを明らかにしたとし、大基金3期初の半導体投資プロジェクトになると紹介した。

一方、経済日報はPiotechについて、ファウンドリ、HBM(高帯域幅メモリ)等メモリ、マイクロLED(Micro LED)、先進封止等に向け、PECVD、ALD、SACVD、W2W・D2W ハイブリッドボンディング等の製造装置を供給していると指摘。傘下の拓鍵荊科は3D ICパッケージ用の取り組みを展開していると紹介した。

同紙の伝えた台湾の業界筋は、大基金3期の戦略は極めて明確で、中国半導体産業の「ボトルネック」とされる分野に焦点を当てていると指摘。具体的には先端製造、装置、材料、EDA・IPや、最先端技術への投資だと述べた。

【関連情報】

【産業動向】中国、半導体国家ファンド3期立ち上げ 前2期総額上回る7兆4000億円規模
【半導体】ファーウェイの半導体ファブ、既に11カ所の報道 IDMへ着々 韓国メディア
【半導体】中国東旭、半導体封止用TGV開発成功
【半導体】中国企業のHBM在庫、25年末に枯渇 華為のAIチップ生産に支障も 米調査会社
【産業動向】中国EUV露光装置の開発動向 DIGITIMESレポート

中国・台湾市場調査ならEMSOneにご用命ください。台湾のシンクタンク、TRI社との共同調査にて、最新の情報をお届けいたします。 先ずはこちらまでご相談ください。

※EMSOneでは日系企業様に向け、コストダウンに向けた各種アウトソーシングサービスの提案を行っています。EMS或いはODMを通じたコストダウンについては こちらをご覧ください。