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【産業動向】中国のAIグラス市場、アリババ・百度参入で競争激化
2025-10-22 12:32:31
中国メディア『科創版日報』は2025年10月21日付で、中国のテック大手アリババ(Alibaba=阿里巴巴)とバイドゥ(Baidu=百度)が独自のAI(人工知能)スマートグラスを25年末に発売予定だとし、テック大手の本格参入で中国のAIスマートグラス市場では競争が一段と激化し、新たな局面を迎えると報じた。


科創版日報によると、中国ではAR(拡張現実)グラスのスタートアップ中国INMO(影目科技)が10月16日、新世代AIスマートグラス「INMO GO3」を発表。家電大手中国TCL傘下のRayNeo(雷鳥科技)も10月23日、世界初のHDR(ハイダイナミックレンジ)対応スマート観賞用メガネ「RayNeo Air 4」を発表する予定。いずれも、中国のテック大手テンセント(Tencent=騰訊)、アリババ傘下のAnt Group、智譜AI等とAI+ARネイティブコンテンツのエコシステム構築を進めるという。

一方、アリババの「Quark AI Glasses」について同紙は、Alibabaグループが開発するAIモデル「Qwen」と、AIアシスタント「Quark」を搭載、中国の地図大手、高徳地図(AMAP)によるナビゲーション、オンライン決済Alipay(アリペイ)の「見て支払う」決済、ECサイトTaobao(タオパオ=淘宝)の価格比較、旅行プラットフォームFliggyの出張リマインダー等に対応するとした。

バイドゥの「小度AI眼鏡」については、ファーストパーソン視点での撮影、歩行中の質問応答、熱源検知、物体認識百科、音声・映像翻訳等の機能を備えるとした。

科創板日報はこの他、動画共有サービス「TikTok」の中国バイトダンス(ByteDance=字節跳動)が自前のAIスマートグラスの開発に投入していると報じた。また、調査会社IDC中国のアナリスト葉青清氏が同紙に対し、AI技術の進化、光学技術・サプライチェーンの改善、大手企業によるエコシステム主導が相まって、AIスマートグラス産業が高速成長期に入るとの考えを示したと伝えた。

IDCによると、2025年上半期のAIスマートグラス世界出荷は前年同期比64.2%増の406万5000台だった。また中国市場は25年通年で、前年比116.4%増の284万6000台に達するとの見通しを示している。

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