Site Meter
【車載】中国自動車大手GAC、全固体電池生産ライン稼働
2025-11-27 10:48:09
中国の自動車大手GAC(広汽集団)は2025年11月24日、同社の全固体電池生産ラインが正式に稼働したと表明した。自動車メーカーとして世界で初めて量産条件を満たした形になったとし、「『EV(電気自動車)』電池の最終解」とも称される技術の商用化が大きく前進したと自賛した。


『新浪科技』等の中国メディアが25日付で報じた。全固体電池について新浪は、EVの性能を大幅に向上させる中核技術として期待されてきたが、長く量産化に至らず、工程設備や固体電解質の高コストが主要な障壁となっていたと紹介した。

新浪によるとGACは24日、独自のドライプロセスを採用し、スラリー調製・塗工・圧延工程を単一ステップに統合することで、時間とコストの大幅削減を実現したと説明した。また、EVへの搭載計画について、GACの研究・開発(R&D)トップの祁紅中氏は、2026年に全固体電池搭載車両の小規模な走行試験を開始するとし、全固体電池の量産化は2027~2030年にかけて進める計画だと述べた。また、次世代の全固体電池は充電1回あたり航続距離1000kmを突破する見込みで、現在主流の500kmクラスの2倍以上となり、充電時間も短縮される見込みだと述べた。

一方、GACが自社の全固体電池生産ラインについて60Ah超のセルを製造可能だとしていることについて、新浪の伝えた中国の電池専門家は、60Ahは車載用途に求められる全固体電池の実用基準だとし、従来のサンプルが20~40Ahに留まっていた点を踏まえると大きな進展だと評した。

新浪は、固体電池の実装を加速するため、中国が2024年「全固体電池協働イノベーションプラットフォーム」を設立、複数の電池大手や自動車メーカーが共同で研究・開発(R&D)に参加していたと指摘。こうした中、自動車メーカーの中国SAIC(上海汽車)が11月、自社の全固体電池主生産ラインの構築完了を発表した他、EV大手の中国BYD(比亜迪)や動力電池大手の中国CATL(寧徳時代)も2027年から全固体電池の生産開始を予定していると紹介した。

【関連情報】

【産業動向】電池21社・自動車9社の全固体電池量産計画・技術ルート 中国メディア
【車載】車載用固体電池、欧米勢の動向 第1世代製品が最速26年量産化 主要12社一覧 TrendForceレポート
【産業動向】世界の固体電池需要、2035年に740GWh TrendForceレポート
【産業動向】Sunwoda、半固体電池生産が800万本突破
【産業動向】ナトリウムイオン電池、2026年に大規模な応用段階へ

中国・台湾市場調査ならEMSOneにご用命ください。台湾のシンクタンク、TRI社との共同調査にて、最新の情報をお届けいたします。 先ずはこちらまでご相談ください。

※EMSOneでは日系企業様に向け、コストダウンに向けた各種アウトソーシングサービスの提案を行っています。EMS或いはODMを通じたコストダウンについては こちらをご覧ください。