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【産業動向】日中緊張、フォトレジストの中国勢には追い風 注目の4社動向 現地報道
2025-12-15 10:53:15
中国のテックメディア『集微網』は2025年12月10日付で、日中関係が緊張する中、中国の電子化学品産業が、半導体素材のフォトレジスト(感光材)の国産化を加速していると報じた。コア技術、高付加価値製品の開発、市場拡大で顕著な成果を上げているRed Avenue(彤程新材)、Nata Opto(南大光電)、Sinyang Chemical(上海新陽)、Crystal Clear(晶瑞電材)の4社が、「小さな巨人」と呼ばれ、国産フォトレジストの台頭を牽引する存在になっているという。


集微網は、日中関係の悪化を受け、フォトレジストの世界シェアで80%弱を占めるJSR、信越化学工業(Shin-Etsu Chemical)、東京応化工業(tok)等の日本勢が、一部の中国ウェハー工場に対するArFフォトレジストの供給を一時停止したとの情報が、中国の半導体産業界に広がっていると紹介。これを受け、中国の半導体メーカーが、サプライチェーンの多元化を検討している他、中国系の競業は状況を追い風と受け止め勢いづいているとした。

先の中国系フォトレジスト4社のうち、Red Avenueについて集微網は、25年第3四半期(7〜9月)の売上高が前年同期比4.06%増の25億2300万元(1元=約22.1円)、親会社株主に帰属する純利益は同11.46%増の4億9400万元だったとした他、子会社の北京科華が中国国内のKrFフォトレジスト市場で40%以上のシェアを握っており、超高解像度KrFネガ型フォトレジストの開発にも成功する等、国内首位の地位を強固なものにしつつあるとした。

Nata Optoについては、25年第3四半期の売上高が前年同期比6.83%増の18億8400万元、親会社株主に帰属する純利益は同13.24%増の3億100万元だったと指摘。中国で唯一、28nm(ナノメートル)世代のArFフォトレジストを量産化した企業で、製品歩留まりは99.7%、複数の主要顧客が本格採用を進めているとした。

Sinyang Chemicalについては、25年第3四半期の売上高が前年同期比30.62%増の13億9400万元、親会社株主に帰属する純利益は同62.70%増の2億1100万元だったと紹介。現像液やエッチング液等の「材料パッケージ」における優位性を武器に、中国系のウェハー企業にKrFフォトレジストを供給していると報じた。

Crystal Clearについては、25年第3四半期の売上高が前年同期比11.92%増の11億8700万元、親会社株主に帰属する純利益は同192倍増の1億2800万元だったとし、既にKrFフォトレジストの量産を実現、複数の主要顧客の認証も通過しており、今後、成長余地が大きいと評した。

集微網は、この4社がg-line、i-line、KrF、ArFに至る各レベルのフォトレジスト製品で量産・供給を進めており、国産フォトレジストを低解像度から中・高解像度へと押し上げる役割を果たしていると指摘。4社の供給で、中国系ウェハーメーカーの輸入依存度が下がる等、一部の日本製品の代替にも成功しつつあるとした。

中国のフォトレジスト国産化について集微網は、産業川上における原材料の依存、顧客認証の長期化、競争激化等の課題は残るものの、フォトレジストの国産化プロセスは着実に前進していると指摘。技術開発から商業化まで段階的に成果が積み上がりつつあり、研究・開発(R&D)投資が製品競争力へと結実するにつれ、今後さらに採用が進むとの認識を示した。

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