【産業動向】TrendForce、26年Q1メモリ価格見通しを大幅に上方修正 汎用DRAMは95%上昇へ
2026-02-04 11:24:14
調査会社TrendForceは2026年2月2日、26年第1四半期(1〜3月)のDRAM及びNAND型フラッシュメモリ(NANDフラッシュ)のコントラクト(契約)価格見通しを大幅に上方修正した。前期比55~58%上昇としていた汎用DRAM(Conventional DRAM)は同90~95%上昇、NANDフラッシュは前期比33~38%上昇を、55~60%上昇に引き上げた。今後さらに上方修正する可能性もあるとしている。
2日付レポートでTrendForceは、DRAMメーカーがAI(人工知能)サーバー及びデータセンター向け需要の継続的な拡大に応じ、先進プロセスや新規生産能力をサーバーとHBM(高帯域幅メモリ)用途に大規模にシフトする中、その他市場向けの需給ひっ迫が一段と強まっていると評した。
TrendForceは、25年第4四半期(10〜12月)のPC世界出荷が事前の予想を上回った影響により、PC向けDRAMは依然、供給不足の状態にあるとし、DRAMメーカーからの供給を確保しているPCブランド大手でも、在庫水準は低下傾向にあると指摘。その上で、供給側がコントラクト価格の交渉を押し上げる状況下、2026年第1四半期のPC向けDRAM価格は前期比100%以上の上昇となり、過去最高の上昇率を記録すると予想した。
サーバー向けDRAMについては、米国系及び中国系のクラウドサービスプロバイダ(CSP)主要各社やサーバーブランドが、26年1月になっても、メモリメーカーとDRAMの年間LTA(長期供給契約)について交渉を継続していると指摘。顧客側による調達確保の競争が激化する中、2026年第1四半期のサーバーDRAM価格は前期から約90%の大幅上昇となり、こちらも過去最高水準に達する見通しだとした。
モバイルDRAM(Mobile DRAM)についてTrendForceは、需給ギャップの拡大を背景に、どの端末用途も生産枠確保のため提示価格を引き上げており、2026年第1四半期のLPDDR4X及びLPDDR5Xコントラクト価格はいずれも前期比約90%増と、過去最高の上昇率になると予想。米国系スマホ顧客向けの契約は既に合意が済んでいるが、中国系向けは26年春節(旧正月)の影響もあり、交渉は2月下旬以降に本格化する見通しだとした。
一方、NANDフラッシュは、第1四半期の受注量が供給能力を大きく上回っているものの、メーカー各社はDRAM市場の高い収益性を重視し、一部生産ラインをDRAM向けに転換していると指摘。この結果、NANDフラッシュの増産余地はさらに制限されているとし、プロセス改善によるビット生産量の引き上げは進められているが、短期的に供給逼迫が解消される可能性は低いとの見方を示した。
レポートはこの他、推論型AI(Inference AI)の用途拡大に伴い、高性能ストレージに対する需要が想定を大きく上回っていると指摘。北米の主要CSPは2025年末以降、積極的な調達を進めており、Enterprise SSDの受注が急増しているとした。その上で、供給不足が続く中、顧客側による在庫積み増しが進み、2026年第1四半期のEnterprise SSD価格は前期比53~58%上昇と、1つの四半期としては過去最高の上昇率を記録するとの見通しを示した。
