同紙は、今回の値上げの動きについて、受動部品とBOM(部品表)の基本部品に集中しているとし、アルミ電解コンデンサ、タンタルコンデンサ、積層セラミックコンデンサ(MLCC)、レジスター(抵抗器)等の主要部品が対象だと指摘。値上げ幅は10〜30%で、一部の高付加価値品や車載向けではそれ以上の上昇も見られるとした。値上げの背景としては、末端需要の回復と原材料コストの上昇という2つの要因によるものだと分析した。
大手による値上げの例として同紙は、パナソニック(Panasonic)がアルミ電解コンデンサを15〜30%値上げ、台湾Yageo(国巨)傘下の米KEMETがタンタルコンデンサ(T520など)を20〜30%値上げ、Yageo自身も車載向けMLCCや厚膜抵抗を10〜20%値上げ、中国Fenghua(風華高科)がインダクタを5〜30%値上げしたと伝えた。
アナログ及びパワーマネジメントIC(PMIC)分野では、米アナログデバイセズ(Analog Devices Inc=ADI)が全体で約15%の値上げを実施、一部の車載グレード製品ではさらに高い上昇も見られたと指摘。このことは、サプライチェーン川上のコスト変動が川中の半導体サプライチェーンへ波及していることを示すものだと評した。
コネクタと産業機器分野では、オムロン(Omron)がロボット、センサー、リレー、PLC、温度制御機器などで約5%〜35%の値上げを実施。コネクタメーカーでは、スイスTE Connectivityが全製品で5%〜12%、米Amphenolが5%〜15%、米Molexも産業用・車載・データセンター向けの高付加価値製品で約5%〜10%の値上げを行っている。
川上材料については、価格上昇がより顕著だと指摘。レゾナック(Resonac)が銅箔基盤(CCL)及び接着フィルムで30%以上の値上げを実施、三菱ガス化学(MGC)もCCL、プリプレグ、RCCを約30%値上げ、中国Kblaminates(建滔積層板)が15〜20%値上げしたと伝えた。
ファウンドリ分野については、価格が上昇傾向にあると指摘。中国SMIC(中芯国際)が8インチBCDプロセスで約10%の値上げを適用、台湾VIS(世界先進)は全体で10%〜15%の価格改定を実施、台湾PSMC(力積電)も8インチ及び12インチで価格調整を開始と、市場では成熟プロセスのコスト上昇が明確に認識されているとした。また、台湾Nuvoton(新唐)も6インチファウンドリ事業で価格調整を進めているとした。
工商時報の伝えた台湾の半導体サプライチェーンは、EMS・ODM、産業機器、カーエレクトロニクス、サーバー電源、プリント基板(PCB)及びIC基板等の関連サプライチェーンにとって、今後の事業運営の焦点は、コスト上昇分を無事に価格転嫁できるかどうか、さらに末端市場の需要がこの新たなコスト上昇を支えきれるかどうかにかかっているとの考えを示した。
このサプライチェーンはまた、AI(人工知能)インフラ、産業オートメーション、車載市場の需要が好調に推移していく場合、今回の「半導体インフレ」が短期で沈静化する可能性は低いと指摘。産業全体に価格上昇が広がる中、半導体業界は構造的な値上げ局面に入りつつあるとの認識を示した。
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