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【産業動向】中国の半導体輸出額、前年同期比72.6%増 「中継倉庫」から「サプライヤー」へ転身示す
2026-03-31 11:29:25
台湾の金融情報メディア『Anue』は2026年3月31日付で、中国の半導体輸出が26年1~2月期、金額ベースで前年同期比72.6%増、平均販売単価(ASP)も同52%増の大幅な伸びを見せたことが、中国海関(税関)総署の最新統計で分かったと報じた。


Anueが伝えた中国海関総署の統計によると、26年1~2月期の中国の半導体輸出額は前年同期比72.6%増の433億米ドルで、輸出全体の伸び率21.8%を大きく上回った。Anueは、中国の半導体輸出で注目される点に、数量ベースでは同13.7%増と、成長が金額ベースを大きく下回ったこと、輸出製品のASPが約52%上昇したことを挙げた。

これについて、Anueの伝えた台湾の半導体専門家は、「数量」と「価格」の乖離は、半導体世界市場の中で、中国が単なる「中継倉庫」から、高い価値を持つ「サプライヤー」へと移行しつつあることを示すものだと指摘。この変化の背景には下記の4つの要因があると指摘した。

(1)メモリ価格の構造的な反転により、メモリの世界大手各社がAI(人工知能)向け高付加価値製品へ生産をシフトしたことで、中国企業が従来市場の空白を埋める余地が生まれたこと。

(2)AI産業チェーンにおいて、中国系はパワーマネジメントや信号伝送等、周辺チップ分野でコスト競争力を武器に、グローバルなデータセンターサプライチェーンに組み込まれつつあること。

(3)成熟プロセスが「安定基盤」として機能していること。ファウンドリ最大手台湾TSMC(台積電)等が先進プロセスに注力する一方、中国系ファウンドリは28~90nm(ナノメートル)の成熟プロセスに資源を集中、生産能力を拡大した中国SMIC(中芯国際)や中国Hua Hong(華虹半導体)が、世界的な需要の受け皿になっている。

(4)車載や産業機器向けでも動きが出ていること。中国StarPower(斯達半導)や中国Silan Microelectronics(士蘭微電子)は、車載向けIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やMCU(マイクロコントローラユニット)分野で技術的進展を遂げ、中国製チップが自動車世界大手や産業機器大手の部品表(BOM)に組み込まれ始めている。

この専門家は、中国の半導体は先進プロセスにおいては依然として製造装置の輸出規制に制約されているものの、中国伝統のアプローチである「農村から都市を包囲する」、すなわち周辺領域から中心市場を切り崩す戦略で、成熟プロセスと周辺チップ分野で不可逆的な世界への浸透を実現しつつあると分析。中国の半導体産業はもはや受動的な存在ではなく、世界の半導体地図を再構築する主体へと変貌しつつあるとの見方を示した。

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