TheElecの伝えた事情に詳しい関係者は、不足しているのは電子材料に広く使用される基礎溶剤、具体的にはPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)及びPGMEA(同アセテート)だと指摘。フォトレジスト、シンナー、下層反射防止膜(BARC)、スピンオンハードマスク(SOH)、広帯域メモリー(HBM)用の一時接着剤等、半導体製造工程の重要材料に用いられているものだとした。サムスン電子やSKハイニックスにこれらの材料を供給している日系企業には、信越化学工業(Shin-Etsu Chemical)、東京応化工業(TOK)、JSR、富士フイルム(FUJI Film)、日産化学(Nissan Chemical)がいるとした。
先の関係者は、今回の供給不足が、中東由来のナフサ供給途絶に起因すると指摘。日本はナフサの40%以上を中東から輸入しており、26年3月初旬にホルムズ海峡の物流が事実上遮断されたことで供給が急減。結果、日本のナフサ分解センター12カ所のうち6カ所が減産を余儀なくされ、プロピレン供給の減少が酸化プロピレンの生産に影響を及ぼし、さらに酸化プロピレンから作られるPGMEとPGMEAの生産を停滞させ、ナフサ>プロピレン>プロピレンオキシド> PGME・PGMEA>フォト材料という形で影響が波及しているとした。
一方、TheElecの伝えた業界筋は、目下、日本のフォトレジスト材料メーカーは、PGME・PGMEAの調達先を韓国や中国へ切り替える可能性を検討しているが、プロセス変更通知(PCN)の手続きが大きな課題になると指摘。原料の変更が発生した場合、サムスン電子、SKハイニックスは再評価・再認証を行う必要があり、短期間での代替は困難だとの見方を示した。
この業界筋は、韓国系のうち、ChemtronicsやJaewon Industrialが既にPGMEAの量産体制を確立しており、日本企業やサムスン電子へ直接材料を供給していると指摘。さらにHanWool Materials Scienceも子会社JK Materialsを通じて、中国製溶剤の輸入供給を計画しており、日本メーカーとの協議も進行中だと述べた。
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