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【EMS/ODM】ハイエンドAI向けMLCC需要拡大、日韓主要業者のBBレシオがコロナ後最高水準 TrendForce調査
2026-07-07 12:25:46
調査会社TrendForceは2026年7月6日、積層セラミックコンデンサ(MLCC)についての最新レポートを公表した。AI(人工知能)サーバーの世代交代の加速に加え、クラウドサービスプロバイダ(CSP)大手による自主開発AI ASICの量産拡大を背景に、日韓系MLCC各社では受注残の圧力が急速に蓄積していると指摘。2026年6月下旬時点で、村田製作所(Murata Manufacturing)、韓国サムスン電機(Samsung Electro-Mechanics)、太陽誘電(Taiyo Yuden)のBBレシオ(受注出荷比)はそれぞれ1.30、1.31、1.25と、コロナ以降の最高水準を記録した他、MLCC市場全体のBBレシオも1.04にまで上昇したと紹介した。


レポートでTrendForceは、村田製作所の受注残比率が1.27に達したことが、同社の2026年第1四半期(1〜3月)決算で分かったとし、これは、MLCC史上最も深刻な供給不足が始まった2018年のピーク時の1.25を上回る数値で、受注残の積み上がりが急速に進み、供給逼迫リスクが高まっていることを示しているとした。

TrendForceは、MLCC市場の需要構造が二極化していると指摘。26年5月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年比4.2%となり、高金利環境が消費者の購買意欲を抑制している米国では、スマートフォンやノートPC(NB)等、コンシューマ向け電子機器の需要が依然、低迷しているとした。また、米インテル(Intel)と米AMDがCPU生産能力をAI関連用途へ優先配分していることが、従来型PC向けの部材調達に影響しており、PC ODM(Original Design Manufacturer=設計・製造の受託)業者はスポット(現物)調達を余儀なくされ、これが部材コストの上昇につながっているとした。

これに対し、AIサーバー市場では、米グーグル(Google)のTPU、米アマゾン(Amazon)のTrainium、米メタ(Meta)のMTIA等、自社開発ASICプラットフォームの導入拡大を背景に、高容量・低電圧・小型サイズのハイエンドMLCC需要が急速に拡大、市場の成長を牽引していると紹介した。

一方、供給面についてTrendForceは、AI向けハイエンドMLCCへの生産シフトによる供給圧迫が、自動車及びコンシューマ向け電子機器用市場にも波及し始めたとし、米アップル(Apple)のサプライチェーンでは例年より1~2カ月早く部材調達を開始、車載用ODM業者も従来の7月から5月へと調達時期を前倒する等、市場では2026年下半期の供給不足に対する警戒感が強まっていると指摘。こうした中、中国の販売代行市場では26年6月以降、コンシューマ向け主力X5R MLCCの価格が平均15~25%引き上げられ、市場の先行調達や価格上昇の期待を一段と高めているとした。

TrendForceは、日韓系が引き続きAI向けハイエンドMLCCを優先的に供給しているのを背景に、2026年第3四半期(7〜9月)には台湾Yageo(国巨)、台湾Walsin(華新科技)、中国Viiyong(微容科技)等が、コンシューマ向け中高容量X5R製品の代替需要を取り込む可能性が高いと見込んだ。

26年下半期のMLCC市況についてTrendForceは、米エヌビディア(NVIDIA)、グーグル、AMDの次世代AIチッププラットフォームが第3四半期以降に相次いで量産化へ移行することで、ハイエンドMLCCの生産能力は引き続きAI関連需要に集中すると予想した他、顧客による前倒し調達需要も重なることから、納期(リードタイム)の長期化やハイエンドMLCC価格の上昇が進む可能性が高いと指摘。これを背景に、26年第4四半期(10〜12月)は、ハイエンドMLCC市場が本格的な供給不足局面へ移行するか否かを見極める重要な時期になるとの見方を示した。

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