クアンタによる医療器材領域への進出は既に約2年となり、最近ではより広範囲に事業の拡大を図っている。同社は台湾経済部に対して「感染性疾病分子診断システム」並びに「医療レベル骨科診断装置(ADSI=A-mode Doppler Shake Instrument)」研究開発に関わる補助申請を行っているが、こうした設備は主に病院や医療器材市場を狙った高度な製品で、競争が激しい家庭医療器材市場への進出はあえて行っていない。
現在開発を進めている製品の中、「ADSI」は高齢化社会を睨んだ独自開発による製品だ。クアンタ関係者によると、老化によって引き起こされる骨粗鬆症や関節炎などの検査には、現状、設備体積も大きく価格も非常に高い放射線検査機器が用いられているが、同社が開発中の「ADSI」は放射線の代わりに音波振動技術を利用した製品であり、来年中の開発完了を目指している。
一方、「感染性疾病分子診断システム」の開発は、診断試薬メーカーのHarmony Biotech社並びに芮宝社との協同開発で進められている。
HARMONY BIOTECHは台湾最大の診断試薬メーカーで、肝炎診断試薬のトップ企業でもある。同社は過去に海外の疾病診断システム機器メーカーとの提携を通じた診断試薬の提供経験を持っているが、より高度な技術が要求される設備の研究開発は初めてとなる。
調査によると、「感染性疾病分子診断システム」は医療器材等級としては最高レベルとなる第3級医療器材に指定され、研究開発の後に衛生局の審査を経て始めて市場投入が可能となる。この為、研究開発と量産には相当な時間が必要と見られている。クアンタはこうした一連のプロセスを経て、最終的には日本や欧米の医療メーカー向けにOEM供給を行うと予想される。
クアンタは既に医療電子部門を設立済みで、同社の桃園工場が医療器材工場として利用されている。また、同工場は既に衛生局のGMP認証を取得済みで、医療器材生産が可能な状態となっている。
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