鉛レスはんだ 本当の真実
知らない知識 材料編(その2)なぜはんだ付けなのか
2008/05/12
(株)電子実装.com
今回は接合技術から見たはんだ付けについて考えてみたいと思います。接合技術としてのはんだ付けは他の接合技術と比較して様々な特徴を持っています。逆に言いますと、これらの特徴をよく認識し、最大限に生かすことによって、はんだ付け技術を使いこなすことができると思います。
<主な接合技術>
最初に、実装技術で使用されるはんだ付け以外の接合技術としてはどのようなものがあるかを考えてみましょう。主な接合技術と次のようになります。

(1)導電性接着剤      

はんだの鉛レス化が叫ばれるようになってから、主にヨーロッパを中心に改良開発が進められている接合技術です。現在でも、限られた用途では使用されています。

(2)溶接      

溶接は接合母材を溶融させて接合する技術です。はんだという余分な材料を必要としないため、軽量化が重視される人工衛星内の電子機器の配線、接合などに使用されています。

(3)圧着とねじ締め      

圧着端子が有名です。線材を端子に挿入し、専用の圧着工具で端子を変形させて線材と端子を密着させ、変形後の端子の弾性エネルギで接続の信頼性を確保するものです。ねじ締めと組み合わせて主に大きな電流が流れる重電機器の配線、接合に使用されています。

この他にもありますが、このような接合技術とはんだ付け技術を比較した場合、はんだ付け技術だけが持つ大きな特徴としては次のものが挙げられます。

< SACはんだとSnPbはんだの信頼性の相違>
(1)量産に向いている。     

 昭和30年代でしょうか、筆者も覚えていますが、当時トランジスタラジオなるものが大量生産されました。このトランジスタラジオで使用された実装技術がプリント基板とはんだ付けという極めて量産性の高い技術でした。これより以前のポータブルラジオを呼ばれるものは、はんだ付けは使用していましたが、一本一本電線で配線されていました。子供心にも非常に複雑な配線であったのを記憶しています。これ以降、「プリント基板とはんだ付け」という組み合わせは電子実装技術の主流になっています。 

(2)修正、手直しが容易である。      

はんだ付け技術のもう一つの大きな特徴は、はんだ接合部を加熱し、はんだを再溶融してやると、容易に取り外しができるとともに、再度、はんだ付けをやり直すことができます。このように、修正と手直しが容易であるということもはんだ付け技術の大きな特徴の一つであると思います。

(3)セルフアライメント効果が期待しうる。      

前述した効果より少し細かくなってしまいますが、はんだ付け技術では、はんだを溶融させたときの表面張力が大きいため、部品をはんだの方に引張り込もうとする力が働きます。即ち、自分で(セルフ)で部品の位置(アライメント)を修正することができるのです。この効果は、微細な部品を搭載する際、非常に有用で、はんだの上に部品を搭載してやれば、後は自然に部品の位置決めをはんだがしてくれることから、部品の搭載精度をそれほど気にしなくても良くなります。 
図1.1 セルフアライメント効果
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