| 【台湾】 EMS/ODMの低コスト生産、自社開発とリサイクル技術の推進が成長の柱 | |
| アウトソーシング利用の決断:やりますか? それとも やめときますか? | |
| ODM(Original design manufacturers)とEMS | |
| 自社の発展のために最も重要なポイントは何ですか? | |
| 価格決定のメカニズム - 生産価格、利益、エンジニアリング費用について |
次に、SACはんだに荷重を印加すると、どのように変形するのでしょうか。SACはんだの金属組織は、Snの結晶の回りを変形しにくい、Ag3SnとCu6Sn5という金属間化合物からなる共晶組織で囲まれているため、SnPbはんだ程、容易に変形しません。即ち、外部荷重に対して容易には変形しない、硬
いはんだ接合部を形成することになります。このようにSACはんだを使用したはんだ接合部は、SnPbはんだと比較し容易には変形しない硬い接合部を形成することから、外部荷重が小さい場合は、接合部の変形も小さく、SnPbはんだよりも良好な信頼性を示します。しかし、外部荷重が接合部の構造によって決定される、ある値以上になると、Snの結晶および共晶組織そのものが変形し始めます。この場合の変形は、SnPbはんだの変形とは異なり、結晶構造そのものの変形となるため、SnPbはんだのように変形能はそれほど大きくはなく、比較的短期間に破断につながります。即ち、SACはんだは金属間化合物から構成される共晶組織で囲まれているため、外部荷重が小さい間は、この共晶組織が変形を阻止し、良好な信頼性を示しますが、外部荷重が大きくなり、共晶組織で変形を阻止することができなくなると、結晶そのものが急速に大きく変形し、急速に破断に至ってしまうのです。